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中日・柳裕也 昨年投手2冠の意地にかけて/後半戦のキーマン

 


 3、4月を5割で終え、立浪ドラゴンズ初年度の船出はまずまずと思われたが、5月中旬に借金生活に突入すると、ずるずると借金がかさんでいった。

 得点力不足が最たる要因だが、目立った補強をすることなく、後半戦に突入した。となると、立浪和義監督が「野球の7〜8割は先発投手で決まる」と語るように、投手陣が踏ん張る以外、現実的な浮上策は見当たらない。

 先発三本柱の中でもっとも貯金が期待された柳裕也の奮起が再浮上への絶対条件だ。今季は主に日曜日に先発。5月まで4勝3敗だったが、6、7月は2勝4敗。昨年11勝6敗だった2冠右腕で貯金をつくりたいところだ。

 その兆しも見えてきている。7月10日の広島戦(バンテリン)では7回3安打、1失点で勝ち投手に。「自分の仕事をしっかりと、粘り強く頑張ろうと思っていました」。6回までカープ打線をわずか1安打に封じる快投。2対0と2点リードの7回に無死満塁で犠飛を許して1点を失ったものの、後続を打ち取ってリードを守った。

 好投しても、なかなか白星に結びつかないことも多い。「技術と準備は変えていません。勝てなかった原因は僕にもある。序盤に点を取られたりとか。試合の流れを重くしていたので、先制点を取ってもらったのはでかかった」。

 7月に入って阿部寿樹が新型コロナ、高橋周平が右脇腹痛、A.マルティネスが左手首痛で離脱。京田陽太も不調で二軍にいる。阿部は後半戦スタートとともに戻ってきたが、チームは苦境に立たされている。

 だが、2〜5位が伯仲しているだけに、最後まで何が起きるか分からない。チームの火を消さないためには、柳が踏ん張るしかない。2年連続となる2ケタ勝利はノルマ。できればさらに上積みたい。

写真=BBM
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