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オリックス・山本由伸 脳内にある自らの映像「ボールの質をどんどん求めて、スピードが上がっていくのが理想」/わがチームの速球王

 


 大台の160キロも夢ではなくなってきた。エース・山本由伸が、7月9日のロッテ戦(ほっと神戸)で160キロに迫った。

 2回一死から五番・井上晴哉への2球目のストレートは自己最速を1キロ更新する159キロを計測。球団日本人最速となる直球をミットにズバッと投じた。

 自己最速の球速に、試合後は「今週(調整を)良い感じにできていたので、自信はありました。良いタイミング、良い力感で投げられた。いつもより(出力が)出ていた」と笑顔で分析した。

 球速が出たのは投球フォームの再現性にあった。「肩が開かず(体が)良い回転ができたんで、そこかなと」。何回も見直した自身の投球映像が脳内にある。だからこそ、本番のマウンドで「一番良い形」を表現できる。

 159キロは担当スカウトでもある山口和男氏の現役時代の最速158キロを1キロ抜いた。伝え聞くと「おー、和男さんの。本当にパパのような存在なのでうれしい」とけなげに笑った。

 自己最速を計測しても、慢心はない。「状態は毎試合、違う。不安な部分だったりがある」と納得いくまで、野球に打ち込む。今年の夏バテ対策は「早寝すること、お風呂にしっかりつかること」と決めた。18時開始のナイターゲームは、起床後、午前10時半に朝食を取る。球場入りの時刻も自身で設定。徹底した生活リズムで、マウンドに向かってきた。

 中嶋聡監督も「安心して見ている」と評価。山本は「ボールの質をどんどん求めて、スピードが上がっていくのが理想。(まだ)上がると思います」とうなずく。

 8月17日に24歳となる剛腕は、まだまだ進化の途中にいる。

写真=BBM}
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