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ロッテ・藤原恭大 土台をつくって好機をうかがい巻き返す/甲子園のヒーローは今

 


 神宮球場で8月1日に行われた『U-23NPB選抜対大学・社会人選抜』には、大阪桐蔭高OBが両軍合わせて計5人が参加した。藤原恭大は一番・中堅として出場し、初回に左前打を放つなど2安打をマーク。同世代のアマ選手たちに、一足早くプロの荒波にもまれてきた貫禄を示した。

 高校3年では、この試合で先発した中日根尾昂らと甲子園で春夏連覇を達成し、最後の夏は四番打者として打率.462、3本塁打と大活躍。打つだけではなく、50メートルを5秒8のスピードも圧巻だった。

 ドラフト1位で入団し、プロ1年目の2019年に球団高卒新人として、54年ぶりとなる開幕スタメンも果たし、3年目の昨季は7・8月の月間MVPにも輝いた。井口資仁監督を含め、誰もがその才能を認めるが、今もレギュラーをつかめず、もがき苦しむ。

 今季、前半戦が終了した時点で、33試合に出場し打率.176が、一軍で残した成績。本来、目指すべき中堅のポジションには3年目・高部瑛斗が定着し、リーグトップの盗塁数を記録している。一方、藤原は二軍で打撃をつくり直し、チーム内の競争でも追いかける立場に。8月3日に、高部らが新型コロナの陽性反応が出て、一軍に昇格とチャンスを得たが、7日には自身が感染して離脱。再び昇格機を待つ。

 好調なときには、爆発的な打棒を発揮するのが、藤原の特長だ。今季開幕前、最後の中日とのオープン戦(バンテリン)では満塁弾を放ったが、「今年は真っすぐを打ち返せていない。バットが思うように出てこない」と課題を口にしていた。

 目標は「トリプルスリー」を達成できるような選手になること。土台をじっくりとつくり上げ、巻き返しの後半戦としてみせる。

写真=BBM
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