攻守でチームを牽引している森
甲子園通算14試合出場、55打数26安打、5本塁打、打率.473を記録。2年時には1学年上の
藤浪晋太郎(
阪神)とのバッテリーで春夏制覇を成し遂げた元大阪桐蔭高の捕手は、プロの世界でも“打撃型捕手”として異彩を放っている。9年目を迎えた今季の
森友哉は、開幕からの打撃不振、焦燥感から自ら招いた骨折による長期離脱と、キャリアの中でもワーストに近い苦しみを味わった。
ただ、その猛省を結果でしっかりと示してくるのが森である。7月は月間打率.325と一気に調子を上げ、8月3日には2打席連続ホームランを記録。自身の好調のバロメーターとも言える左中間への会心の一撃が出たことで、終盤戦へ向けての確かな手応えを感じている。
また、打撃以上に光るのが捕手面だ。今季は森が入団して以来最高ともいえるほど投手陣が安定。防御率は12球団トップを誇る(8月17日現在)。「みんなすごい自信に満ちあふれていて、『絶対抑えたる!』という気持ちがマウンドでもすごく伝わるので、自分も『なんとか抑えたい』という気持ちでやっています」。これまで以上に投手に心を添わせてリードし、特長を巧みに引き出している。
チームは首位を走る。前回優勝の2019年は3点取られても逆転できる強力打線が武器だったが、今季は3点取ったら負けない守備力で勝ってきた。森は「最少失点で抑えて、バッテリーで勝ったと言える試合を増やしたい」と言い続けてきた。だからこそ、「捕手としては、今年の勝ち方のほうがうれしい」。過去2回以上の歓喜を味わうべく、首位固めへと全身全霊でチームを牽引していく。
写真=BBM