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ロッテ・荻野貴司 存在感を示す勝利への執念「個人の目標は特にない」/タイトルホルダーの意地

 


 今年10月で37歳となるが、その存在感は増すばかりだ。昨季最多安打&最多盗塁をマークした荻野貴司は、今季の開幕は二軍でスタートした。

 2月の春季キャンプ中に新型コロナウイルスに感染し、調整が遅れると、復帰後には古傷の右ヒザを痛めてオープン戦に出場することもできなかった。その後も、二軍で調整を進めたが、状態が上がったと思ったところで、今度は右脇腹を痛めた。

 結局、一軍昇格したのは5月27日となった。

「昨年の後半ぐらいから、ちょっとヒザに違和感があって、オフの間でだいぶよくなったけど、なかなか抜けきらなかった」

 それでも、チームは開幕から低迷していたが、リードオフマンの合流とともに調子を取り戻し、交流戦後は首位争いに加わるところまで持ち直した。あらためて、このベテランが決して欠かせないピースであることを証明した形となった。

 夏本番となる8月に入っても、通算打率は3割以上をマークし、同出塁率も4割近くを残す。2年連続でタイトルを狙える実力は健在ながらも、開幕から大きく出遅れたことでタイトル争いに加わることは厳しい状況となるが、今季は通算250盗塁、通算1000安打のメモリアルも達成した。

 荻野自身は「個人の目標は特にない。優勝目指して、1試合を全力で戦うことぐらい」と言う。7月5日の日本ハム戦(ZOZOマリン)では、延長10回に左中間へサヨナラ打を放った。勝利に貢献することだけを考え、求められる役割を果たしていく。

写真=BBM
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