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西武・山川穂高 大砲のこだわり「タイトルは狙って獲ってこそ価値がある」/タイトルホルダーの意地

 

パ・リーグ本塁打ランキングのトップを独走する山川


「このままでは終われない」

 今春キャンプインを前に、山川穂高の鼻息はいつになく荒かった。2018年(47本)、19年(43本)の本塁打王が、一昨年、昨年とも24本塁打に終わっていたのである。いずれもケガが不振の一番の原因ではあったが、同時に本塁打王獲得時、もっといえば自身が「プロ野球人生の中で最強だった」と位置付ける17年時に最も備わっていたという、本塁打を打つための「お尻にはめる感覚」(山川)を見失ってしまっていた。その重要な感覚を、自主トレで見事に取り戻したのだった。それをもう手放さないためのトレーニング方法もしっかりと会得。「今年、バッティング、良いですよ!」。例年以上に自信を持って迎えた開幕だった。

 言葉どおり、開幕2戦目から3試合連続本塁打と自信を結果で証明する。4月1日から約3週間、肉離れで戦線離脱はしたが、復帰後もコンスタントに本塁打を量産し、8月23日現在、リーグトップの35本を誇る。その要因は自主トレで見いだし、「今年はこれを続ける」と決めた5種類の“お尻にはめる”感覚を維持するためのメニューを含めた「最高の準備」の継続と、「過去の2年を“失敗”ではなく、“成功への過程”と言えるようにしてみせる」との強い決意にほかならない。

 もともと、「タイトルは狙って獲ってこそ価値がある」との考えの持ち主。今季も最初から「本塁打と打点にはこだわる」と明言していた。「チームの勝ちにつながる本塁打が打てれば一番いいですが、どんな状況でも一本は一本」と、これからも“一本”のために全身全霊を注ぎ込む。

写真=BBM
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