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広島・九里亜蓮 中継ぎの経験も糧として再び先発で/タイトルホルダーの意地

 

勝負の8月、先発で力を見せる九里。8月17日の中日戦(マツダ広島)では9回無失点、134球の力投も


 昨季13勝を挙げ、自身初のタイトルとなる最多勝を獲得した九里亜蓮にとっては、ここまで苦しいシーズンが続いている。7月前半に登板15試合を終え、3勝6敗と思うように数字が伸びなかった。

 登板16試合目となった7月17日の巨人戦(東京ドーム)では、2019年以来3年ぶりとなる中継ぎでマウンドに上がった。3イニングを1失点。4勝目も挙げた。当時、佐々岡真司監督は「亜の調子が上がってこないから、ちょっと中で代わりに入れた」とブルペン待機にさせた意図を説明。九里自身は「どの役割だとしても行けと言われたところで自分の投球ができるように頑張りたい」と謙虚に語っていたが、のちに「やはり悔しい」と本音を明かした。先発ローテを守れなかったこともあるが、「チームを勝利に導く投球をできていなかった」と、あくまでチームを第一に考えた結果での「悔しさ」だった。

 翌週の同24日のヤクルト戦(神宮)では再び先発に戻ったが、同30日の中日戦(マツダ広島)は中継ぎ登板。難しい調整が続き、8月4日のDeNA戦(横浜)からは再度先発を任されている。4日は降雨ノーゲームとなったものの、4回一死まで打者10人に完全投球を続けていた。「ある程度思うように投げられたボールもあった。甘い球もあった。そのへんは確率を上げていけるようにしたい」。

 先発と中継ぎが入り交じる中、結果も出してきた。不規則な調整にも九里自身は「影響はないし、それを言い訳にもできない」と動じない。まだまだ、ここからだ。

写真=BBM
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