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日本ハム・清水優心 「鎌ケ谷で頑張って良かった」二軍での苦労を糧に巻き返す/このままでは終われない

 

8月11日の西武戦(札幌ドーム


 正捕手候補筆頭だった男が、やっとヒーローになった。清水優心が8月11日の西武戦(札幌ドーム)でプロ初のサヨナラ打。「めちゃくちゃうれしいでーす」と、お立ち台で笑みを見せた後、前半戦の苦悩を吐露した。「本当に苦しい時期があった。このために暑い鎌ケ谷で練習してきた。鎌ケ谷で頑張って良かったと思う」。しみじみと振り返った。

 昨季は捕手陣で最多スタメン出場(81試合)も、今季は4月上旬から約3カ月間は二軍生活に甘んじた。BIGBOSSが就任し、横一線のレギュラー争いがスタート。戦う姿勢や気持ちも重視する指揮官が、清水について言及した試合があった。4月5日のロッテ戦(札幌ドーム)。「バントを成功していたら、最後の清宮君の代打はないかもしれない」。

 その試合でスタメン出場していた清水は5回に犠打失敗。7回の好機で打席が回ると代打が送られた。BIGBOSSは「(犠打が2連続ファウルで)追い込まれてから(犠打を)決めたら自信になるだろうって思って」とスリーバントのサインを送っていたが、結果は裏目に。「そうしたら自信をなくしてしまったね」。その4日後に二軍降格となった。

 清水は「精神的にも鍛えられた。この3カ月は決して野球人生におけるマイナスじゃなかった」と振り返る。サヨナラ打の場面、指揮官は「彼も前半戦はちょっとボス組(二軍)で苦労してね。(打撃も)悪くなかったしね」と代打は送らず、3カ月前とは違う姿に期待をかけた。混戦の正捕手争い。遠回りはしたが、ここから清水が巻き返しを図る。

写真=BBM
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