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ソフトバンク・リチャード 約束につなげる1年とするために/このままでは終われない

 

二軍で本塁打量産も、打者としての成長が待たれるリチャード


 満を持しての「チャンス」も、ものにできなかった。8月12日からのオリックス3連戦(PayPayドーム)。今季4度目となる一軍登録をされたばかりのリチャードは、3戦すべてでスタメン起用されながら計10打数無安打と結果を残すことができなった。チームは3カードぶりの負け越し。期待の大砲候補は同15日に今季4度目の二軍降格となった。昇格直前の同10日までには二軍で4戦連発をマーク。ウエスタンでダントツの本塁打数を記録しつかんだ今回のチャンスだったが、生かせずに終わった。

 大きな飛躍を期待されたシーズンだった。2018年育成ドラフト3位で入団。圧倒的なパワーに惚れ込む王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーからは幾度となく熱血指導を受け、20年に支配下登録された。昨年9月に一軍デビューを果たすと、約2カ月で7本塁打。今季は三塁のレギュラーの最有力候補として周囲の期待は高まったが、オープン戦で結果を残せず開幕直後に二軍降格。その後は一、二軍を行き来し、2打席連発を放つなどしてアピールしたが一軍定着には至らなかった。

 昨秋キャンプでは王球団会長から「強い気持ちを持てばいける。俺とお前で40本にするぞ」と、強烈なハッパをかけられた。リチャード本人も「40本は王会長と約束した。目指すのはそこ」と強い気持ちで臨んだシーズンだったのだが……。世界の本塁打王と交わした約束を達成するのは現実的に来季以降にはなるが、そこへつなげるためにも、悔しい1年をこのまま終わらせるわけにはいかない。

写真=湯浅芳昭
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