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ロッテ・茶谷健太 攻守で恩返しを誓う「今はいろんな人を助けられるように」/このままでは終われない

 


 プロ7年目にして、茶谷健太が輝きを放っている。8月12日の日本ハム戦(ZOZOマリン)で2回にコディ・ポンセから先制2ランを左翼席へ運んだ。

「今年が一番多く打席のチャンスをもらっているので、まずは一軍に生き残れるようにと思っている」

 昨季は一軍出場なしに終わった男が、通算68打席目でプロ初アーチ。開幕前の遊撃手争いはエチェバリア藤岡裕大によって繰り広げられると思われてきたが、勝負所の夏を迎えて、ダークホースの出番が急激に増えている。

 神奈川県出身で山梨・帝京三高からドラフト4位で2016年にソフトバンクに入団。18年オフに自由契約となり、19年1月に育成選手でロッテ入り。その年の12月に支配下選手となった苦労人だ。

 高校時代は最速145キロを誇る本格派投手。プロ入りしてから内野転向した。当初は「打球が速い」と、戸惑うことばかりだったが、ソフトバンク時代から指導を受けてきた鳥越裕介二軍監督の粘り強い指導で、最大の欠点を最大の長所に替えた。

 8月11日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)では同点の6回二死二、三塁で快足・周東佑京の三遊間へのゴロを間一髪のタイミングで一塁アウトにした。この好守に、ピンチで踏ん張ったロベルト・オスナからもお辞儀と日本語で「アリガトウゴザイマス」と感謝された。

「これまでは、エラーばかりでたくさんの人に迷惑をかけてきた。逆に、今は守備でいろんな人を助けられるようにと思っています」

 シーズンはここから佳境を迎える。6月に今季初昇格し、新型コロナによる離脱も途中であった茶谷だが、今では欠かせない戦力となっている。

写真=BBM
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