8月5日。灼熱のナゴヤ球場の屋内練習場で再スタートを切った。ティー打撃やキャッチボールで汗を流した鵜飼は「ずっとリハビリの1カ月だった。早く野球がやりたくてうずうずしていた。久しぶりに体を動かして、ボールを投げて、打ってができて良い1日でした」とすっきりとした表情を浮かべた。
駒大からドラフト2位で入団すると、キャンプでは持ち前の長打力を披露。
立浪和義監督からは「スイングスピードならもうチーム一と言っていい。楽しみな選手」と期待を掛けられ、開幕一軍を勝ち取った。
3月30日の
DeNA戦(バンテリン)でプロ初アーチを左翼席中段に放り込んだ。その後も存在感を見せたが、交流戦ではNPB野手の連続打席三振記録「9」を喫するなどプロの洗礼も浴びた。6月後半に二軍降格となったが、新生ドラゴンズの旗手として、大きな期待を背負っていた。
そして再出発の矢先にアクシデントは起きた。7月7日のウエスタン・
オリックス戦(ナゴヤ)。2回の第1打席に自打球を左ふくらはぎに当ててしまった。
「当たった瞬間はそこまででしたが、徐々に痛みが出てきました」。9回の守備から交代し、左腓腹筋内血腫の除去手術を受けた。術後2週間は激痛で松葉づえを手放すことができない生活が続いた。
8月3日に抜糸を行い、ようやく本格始動にたどり着いた。ここまで51試合に出場して打率.206で4本塁打、15打点。今シーズン中の一軍復帰を目指し、一歩一歩前に進んでいる。
写真=BBM