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オリックス・椋木蓮 あと1球に泣く“良い経験”「投げた瞬間に……」/即戦力と言われて

 


 衝撃が走った。7月20日の日本ハム戦(京セラドーム)で、椋木連が、9回二死2ストライクから、1球に泣いた。27個目のアウトを奪うべく、代打・佐藤龍世に投じた116球目。三振を奪うためのスライダーが甘く入った。

「投げた瞬間に甘い球でヤバイと思った。(中前打は)『やっぱ打たれるかぁ』って」

 打球が頭上を通過し「めっちゃ(打球が)遅く感じた。あぁあぁって感じでした」と苦笑いで拳を強く握った。直後に降板。マウンドで高山郁夫投手コーチに頭をなでられた。

 新人投手のノーヒットノーラン達成は1987年8月9日の巨人戦(ナゴヤ)で中日近藤真一が「プロ入り初登板ノーヒットノーラン」を達成して以来だった。椋木は“ノーノー未遂”の投球で、9回途中1安打無失点。11三振を奪う快投で今季2勝目をマークした。新人投手のプロ初登板初先発から2戦連続の白星は球団史上初。大記録こそ逃したが、歴史に名前を刻んだ。

 7月7日の西武戦(京セラドーム)でプロ初登板初先発初勝利を飾ってから、中12日のプロ2試合目。「ここで最初に(ノーヒットノーランを)達成してテングになるのもよくない。良い経験だったんじゃないかな」とスッキリした表情で話した。

 中嶋聡監督は「ゾーンでしっかり勝負できていた。本当に良い真っすぐ。質の良い独特の軌道」。球数116球のマウンドに「110、120(球)までの体力があるという(情報)のはあった。それでもリミッター解除した感じもある」と偉業に期待。

 春先はケガで出遅れた右腕だが、一気に存在感を示した。

写真=BBM
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