コントロールがカギとなりそうだ
思わぬ形の離脱となった。チームは8月11日、プロ2年目の
藤井聖投手が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表した。今季は4試合に先発し1勝2敗、防御率3.38。先発ローテーションの一員として活躍が期待されていた左腕が、チームを離れることになった。
東洋大、ENEOSを経て2021年ドラフト3位で入団。1年目から即戦力として期待されたが、昨季は一軍登板なしに終わった。課題の一つが制球力。二軍では17試合に登板し4勝3敗、防御率3.56。完封勝利は挙げたものの、81イニングで計47四死球を与えた。
巻き返しに向け、オフは東洋大で同期だった
DeNA・
上茶谷大河と合同自主トレを行った。「負けられない気持ちは強く持っています。昨年より強く持ってやらないといけない」。首脳陣の期待にも応えるべく、強い決意を持って汗を流してきた。
制球力向上のために投球フォームを見直すと同時に、体幹を含めて肉体面も強化した。その成果が実ったのは4月28日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)。6回を投げ4安打無失点で、プロ初登板初先発初勝利を飾った。直球は140キロ台中盤だったが、丁寧に低めを突いて無四球で封じた。
ただ今季は離脱前まで一軍で4試合に登板し、18回2/3を投げ10四球を与えた。持ち球であるスライダーとチェンジアップも、制球力を含めてまだ改良の余地はある。
ENEOSでは150キロに迫る直球を投げ、社会人日本代表に選出された逸材。現状に甘んじることなく、さらなる成長を目指す。
写真=BBM