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オリックス・宮城大弥 勇気がいる球種だからこそ「振り絞って投げています」/伝家の宝刀

 


 マウンドで冷静を装いながらも、バクバクの緊張で、スローカーブを投じるのが宮城大弥だ。

「緩いボールを投げるのは、本当に勇気が必要なんです。もし、きっちりコンタクトされると打球が飛ぶ。マウンドでは勇気を振り絞って投げています」

 その言葉どおり、球速90キロ台のスローカーブでストライクが取れた際は、安堵の表情を浮かべることが多々見られる。

 左腕は試合の1球目を大切にする。捕手からの返球を受け取ると、バックネット裏の電光掲示板に目をやる。あるとき「144」の数字があった。「僕はスピードガン、めちゃくちゃ見ます。今のボールが145キロで、さっきのは139キロか……とか。投げた感覚と数字を合わせる感じです」と優れた“体内計器”で球速を操る。直球の数値、変化球の数値が理解できているから、スローカーブを投じても腕が緩まない。さらに、球場により、表示速度に微増微減があるそうで「前の日に先発した投手に数値の感覚を聞きます」と準備は欠かさない。

 昨年までは打者の左右に応じて、投球プレートの踏む位置を変更していたが、今季からプレート位置を一塁側に固定。軸を作ったことで、マウンドで心拍数が上がっても冷静沈着さを保っている。

 8月25日に誕生日を迎えた。21歳となり「濃い一年を過ごしたい。ケーキは自分で買いました。誰も(ケーキ購入は)なさそうだったので、一人で食べました。クレ(紅林弘太郎)とは、時間が合わなかったので」と頬を緩ませた。

写真=BBM
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