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巨人・山崎伊織 手術から2年、いよいよ本格化/伝家の宝刀

 


 開幕前に自己アピールを求められ、山崎伊織は「スライダーには前から自信がありました」と胸を張った。ルーキーイヤーをリハビリで終えた右腕の武器。鋭く、大きく曲がる決め球は、たちまちチーム内でも話題になった。

 東海大4年時の2020年6月に受けた右ヒジ手術の影響で、1年目の昨季をリハビリで終えた右腕。桑田真澄投手チーフコーチは「山崎伊織はスライダーがすごくいい投手。直球も速いんですが、菅野(智之)君の次に評価してもいいスライダーを投げます」と太鼓判を押し、プロ未登板ながら開幕先発ローテ、しかも2戦目の先発に抜擢された。

 ファーム調整を挟みながらここまで17試合、うち先発では16試合に登板。5勝4敗、防御率2.99の成績を残しており、後半戦に限れば5試合で3勝1敗、防御率1.41。9月7日のDeNA戦(東京ドーム)でも大量援護に支えられながら、7回を89球で1失点にまとめた。

「もともとスライダーとシュートはいいものを持っていた。カーブを投げ始めたことで緩急を使えるようになった」とは桑田コーチの分析だ。右打者の胸元に食い込むシュートが第2の武器でもあり、ストライクゾーンの両サイドを突く持ち味が生きるようになってきた。

「今のままではまだまだですけど、(手術後)投げ始めて2年を越えたあたりから(右腕の感触が)しっくりくると言われている。もっといい球を投げられるように頑張りたい」と山崎伊。未来のエース候補は、さらなる進化の予感を漂わせている。

写真=BBM
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