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DeNA・山崎康晃 信じ続けた自らの武器ツーシーム/伝家の宝刀

 

今季は守護神の座に返り咲いた山崎


 腹の据わり方が違った。山崎康晃は簡単に、仕事を終えた。8月24日の阪神戦(京セラドーム)。出番は4点リードの9回二死一、二塁だった。1ボールから、決め球のツーシームを低めに制球。糸原健斗を中飛に仕留め、試合を終わらせた。今季30セーブ目で通算200セーブに到達。プロ野球8人目、29歳10カ月での達成は、球団OBの佐々木主浩氏を抜く史上最年少記録だ。記念ボードを掲げ、満面の笑み。「偉大な選手がいる中で、肩を並べられて光栄です。支えてくれたチームメート、ファンのみなさんに、感謝の気持ちを伝えたい」と喜びをかみしめた。

 宝刀を磨き、力強く歩んできた。「小さな大魔神になります!」と、ファンに約束したのが2015年3月31日の広島戦(横浜)。本拠地でプロ初セーブを挙げた。1点をリードした9回二死一塁で、同じドラフト1位だった野間峻祥から空振り三振。亜大時代に東浜巨(ソフトバンク)から握りを教わった落差の大きなツーシームが決め球だった。「三振が取れるし、制球ができる。思いどおりに投げられるという部分では、高いレベルにある球だと思います」とは新人時代の言葉。18年の通算100セーブも、巨人大城卓三を得意球で空振り三振に仕留めた。

 一昨年は40試合で6セーブ、防御率5.68と苦しんでいた。昨年は、守護神を三嶋一輝に譲ったが、それでも60試合で27ホールドと復活の足がかりとした。今季の安定感は随一で、勝負どころの8月も14試合で無失点。3年ぶりのセーブ王も視野に、荒れたマウンドを守り抜く。

写真=BBM
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