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日本ハム・万波中正 後逸猛省してノーヒットノーランをアシスト/あの悔しさを胸に

 

類いまれな身体能力で好守を見せる。プレーの質のムラをなくすことが課題だ


 迷いながらも猛然とスタートを切っていた。

 8月27日のソフトバンク戦(札幌ドーム)の2回。中堅の万波中正は左中間寄りの前方への打球に一直線。落下点に間一髪で間に合って捕球した。「粘って捕れたのは良かった」としつつも「声を掛けないといけないところ。僕が最後まで迷って声が出なくて(左翼の)近藤さんが避けてくれた。細かいミスは反省です」と振り返ったシーンだったが、先発したポンセのノーヒットノーランを後押ししたビッグプレーでもあった。

 その約1カ月前に中堅守備で悔しい思いをしていた。7月30日の楽天戦(楽天生命パーク)、7回二死一塁の場面。中前へ転がってきた打球を後逸して、一塁走者を生還させた。4点から5点ビハインドとなった、劣勢の展開は変わらないところだったが、BIGBOSSは万波の交代を即断した。

 試合後にBIGBOSSは「慌てる必要ないのに。集中力を持って、やってもらわないと。あんなんしてたら、レギュラーは取れない」と、猛省を促していた。

 その後しばらくは中堅でのスタメンがなかった万波だが、久しぶりに中堅でのスタメンとなったのが8月27日の試合だった。攻守でトッププレーヤーになれる、類いまれな身体能力を持つ選手。

「打てないときに守備だけは頑張ろうと思うことも多い。守備をしっかりやれているときは打席に集中していける」。プレーの質のムラをなくす必要性を痛感したワンプレー。本物の一流選手へなるための大きな糧となった。

写真=BBM
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