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楽天・辰己涼介 痛恨の離脱を乗り越え再浮上へ/あの悔しさを胸に

 

やり返すチャンスはまだある


 不調を物語るような場面だった。7月2日のロッテ戦(ZOZOマリン)。同点で迎えた6回一死走者なし。辰己涼介はたった2球で追い込まれたあとの4球目、明らかな外角のボール球に手を出して空振り三振。4打数無安打だった前日に続き、この日も3打数無安打に終わった。

 翌3日からは、3試合連続でスタメンから外れた。昨季は8月の月間打率が.211。夏場に打撃不振に陥ると、終盤戦でも不振にあえいだ。2年目以降は体調面にも人一倍気を使ってきたが、もともとは食が細いタイプ。今年も夏場に調子を落とすのかと思われた。

 だが同18日のオリックス戦。西川遥輝が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた影響で、急きょ「一番・中堅」で先発出場。「試合に出られる喜びを力に変えていきました」と2安打3打点の活躍で8対3の勝利に貢献した。「自分の打撃ができていなかった」と落ち込んだ時期もあったようだが、打撃フォームを含めてしっかり自分自身と向き合った。「僕自身が野球を楽しんで、やれることをしっかりやろう」と気持ちを入れ替えた。

 8月は15試合に出場し打率.353。反省を生かして安打を量産した。しかし8月19日に新型コロナウイルスに感染しチームを離脱。それまでは好調をキープしていただけに、戦線を離れたことは本人にとっても悔やまれる出来事となった。それでも9月7日に戦列復帰し、打撃は再び上り調子。シーズン最終盤の巻き返しが期待される。

写真=BBM
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