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巨人・A.ウォーカー 「守備難」の汚名返上、打撃も復調/あの悔しさを胸に

 


 アメリカ独立リーグから昨オフに入団したA.ウォーカーは、自慢の強打よりも先に、まず「守備難」の代名詞がついてしまった。

 4月24日の中日戦(バンテリン)。六番・左翼でフル出場したウォーカーだったが、1回、3回に内野への送球を地面にたたきつけてしまい、4回には打球処理にもたつく間に単打性の辺りで二塁打を許した。チームは逆転負け。ウォーカーは本塁打を含む2安打を放ったが、悔しそうな表情を浮かべていた。

 それでも地道な努力は実を結ぶ。春先から毎日、亀井善行外野守備兼走塁コーチによる密着指導が続いていた。「日本は練習量が多く、コーチの人数も多い。亀井さんのような存在がいるので助かります」とウォーカーは熱心に守備練習に取り組み、みるみる上達していった。

 山形で開催された6月28日の中日戦。同点の4回二死一、二塁で、石橋康太の左前打で本塁を狙った二塁走者を、左翼から来日後初めての「ノーバンバックホーム」で補殺。亀井コーチも「今の球だけ見てたら『何だあの球』となるけど、最初から見ている僕からしたら、やっぱり感動もんやった」と目頭を熱くした。

 シーズン終盤を迎えた現在は、好守で投手を助けることも。後半戦に入って打撃不振だったが、9月7日のDeNA戦(東京ドーム)では20号満塁弾を含む4安打5打点、そこから6試合で4本塁打と復活。攻守で推定年俸3400万円の期待をはるかに上回る結果を残している。
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