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中日・土田龍空 若さを武器に結果を恐れず/あの悔しさを胸に

 


 二遊間の緩い打球に追いついて正面に入る。捕球して一塁送球したボールが右翼方向へ逸れた。後半戦になって遊撃スタメンで出場を続けている土田龍空。9月4日のヤクルト戦(神宮)の5回、一死で失策を犯した。

「送球で軽く投げてしまいました。足を使って、ひとつためればアウトにできたと思っています」

 軽いプレーをなくす、ひとつためる。このことこそ、荒木雅博内野守備走塁コーチから口酸っぱく注意を受けているポイント。起用され続けているからには、ミスは避けたい。連日、早出でグラウンドに出て、練習している。

 同期のドラフト1位、高橋宏斗の足を引っ張ったから悔しい。「迷惑を掛けたので、何とかしたかったです」。6回、一死二、三塁。内角球に窮屈なスイング。フワッと上がった白球は前進守備を敷いた遊撃の後方に落ちる2点適時打。敵失も絡んで一気に三塁へ。続く溝脇隼人の投ゴロで本塁へヘッドスライディング。捕手のタッチをかいくぐり、右手指先でホームに触れた。

 結果として、この日のゲームでプロ初猛打賞をマークした。高橋宏も白星を手にした。立浪和義監督は「使い続けます。思い切ってプレーしてくれればいいです。失敗しても攻め続ける。いいプレーをする材料としてくれればいいんです」と話した。

 今季の遊撃は京田陽太で始まり、堂上直倫三ツ俣大樹、溝脇と変遷をたどった。残り試合もあとわずか。失敗に目をつむってもらえるのは若いから。19歳の土田の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

写真=BBM
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