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日本ハム・中島卓也 「足が遅くなったらもう終わりだと思っている」質の高い走塁を体現するベテラン/足で魅せる!

 

BIGBOSSも中島の走塁技術を高く評価している


 能力と技術が合わさった至高の走塁でチームを勝利に導いた。8月11日西武戦(札幌ドーム)の延長10回二死一、二塁の場面。BIGBOSSが満を持して二塁走者に送った代走が中島卓也だった。清水優心が放ったゴロが三遊間を抜けると、迷いなく三塁ベースを蹴ってホームへ悠々と生還。最も遅い出番ながら、素早く完璧な仕事を果たした。
 
 指揮官は指揮官は試合後に、中島の走塁を絶賛した。「中島君の足。サードベースを回ってからの直線が(速い)。ものすごく入りがいい」。二塁から本塁へ向かうベースランニングの技術を高く評価するからこそ、勝負どころの切り札として起用していた。BIGBOSSが昨秋キャンプからチームに意識付けしてきた質の高い走塁を、11年目の実力者がしっかり体現しているシーンだった。
 
 2015年盗塁王の中島は、今春キャンプで大きな刺激も受けた。元陸上10種競技日本王者で日本フェンシング協会の会長を務める武井壮氏が臨時コーチでキャンプ地を訪れ、走り方の講義を受けた。「維持どころか、速くなるんじゃないかと思った」と進化の余地を示されて喜んでいた。
 
 攻守で走り回れることが、一番のストロングポイントとしてプロ野球の世界を生き抜いてきた。「僕は足が遅くなったら、もう終わりだと思っている。もう31歳。あと何年やれるか分からない。やっぱ引退するまで、今走れる状態を維持したい」。チーム内では生え抜き野手最年長となったが、スピードはいまだにトップクラス。足で魅せられる職人は、あらためて存在感を示した。

写真=BBM
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