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オリックス・渡部遼人 初安打後に魅せた最大の武器「1つステップを進められてよかった」/足で魅せる!

 


 快足ルーキーが感情を爆発させた。今季、ドラフト4位で入団した渡部遼人が9月10日のソフトバンク戦(京セラドーム)で、プロ初安打をマーク。プロ入り16打席目で飛び出した“待望”の初安打で、大仕事をやってのけた。

 1点リードの4回二死満塁で、カウント2―2からの5球目、149キロ直球を右翼前にはじき返した。貴重な2点適時打に「ずっと打ちたかったので、やっと肩の荷が下りたと言いますか、1つステップを進められてよかったです!」と興奮を隠しきれず、一塁ベース上で拳を握った。

 直後にはプロ初盗塁も記録。50メートル走5秒9の俊足が持ち味で、慶大時代の公式戦では33盗塁を企画してすべて成功。盗塁成功率100パーセントを極めていた。

 中嶋聡監督も一塁側ベンチで力強く拳を握ると、記念球の返球を要求した。青いベンチにそっと置かれる白球が映えた。試合後、指揮官は「彼の野球人生の中で初めて。まず、一本目が大事。大きな一本だと思います」と目尻を下げた。

 オープン戦で、12球団で2番目に多い4盗塁を記録して開幕一軍入りを果たしたが、4月中旬に二軍落ち。ファームで状態を向上させ、再昇格を勝ち取っていた。俊足が売りの外野手は「塁に出れば、何か起こせるかなと思っている。プロの世界で新しい発見があると思いますし、盗塁の得意な人に、いろいろ聞いていきたい」と力を込めた。

 プロ初安打の直後に、初盗塁を決めたのも“快足男”らしい。オリックスの外野陣は福田周平佐野皓大小田裕也ら足の速い選手が多いが、背番号0のルーキーも競争に飛び込む。

写真=BBM
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