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広島・大盛穂 流れを引き戻した一打からの加速/足で魅せる!

 

スーパーサブとして存在感が光る大盛


 快足が文字どおり「値千金」だった試合がある。8月27日の本拠地・マツダ広島での巨人戦。同16日に菊池涼介野間峻祥らの新型コロナウイルス感染が発覚。また、同23日には秋山翔吾が発熱し、特例2022で戦列を離れていた。それら選手の代役として出場を重ねていた大盛穂。その中での一幕だった。

 2点リードで8回に入ったが、二番手・松本竜也がまさかの2失点で同点に追いつかれた。直後の攻撃。先頭だった大盛は、中堅手の頭上を越える一打を放った。「追いつかれた(直後だった)ので先頭で出てやろうという気持ちで打席に入った」。同点というシチュエーションに加え、無死。二塁打が妥当かと思われたが、背番号59の足が緩むことはなかった。それどころか、二塁手前で加速した。「越えた時点で狙っていた」。悠々と三塁に到達。無死三塁で一気に得点機を演出した。

 次打者は新型コロナで離脱していた菊池涼。復帰打席として約2週間ぶりにグラウンドに戻った。菊池涼自身も「(大盛が)センターオーバーで本塁までかえってきてくれないかなと思っていた」と明かすほどのスピードだった。結局、菊池涼が右前適時打を放ち、大盛は決勝のホームを踏んだ。

 勝利につながる三塁打を放ち、今季初のお立ち台にも立った。「僕らはチーム一丸で戦っていきたい。これからも応援よろしくお願いします」。この日訪れた3万556人の観衆を沸かすには十分な活躍だった。スタメン出場こそ少ないが、代打に代走、守備固め、その存在感は増している。

写真=BBM
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