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日本ハム・上沢直之 「1日でも早く復帰したかった」手術を即断したエースの自覚/復活を遂げた男たち

 

右足中指骨折を乗り越えて2年連続で規定投球回をクリアした


 エースは骨折を乗り越えて、2年連続でシーズン規定投球回をクリアした。9月20日のソフトバンク戦(札幌ドーム)に先発して9回7安打3失点。惜しくも“負け完投”とはなったが、4回を投げ終えた時点で143イニングに到達。投手陣の大黒柱として「目指していたので、最低限クリアできてよかった」と、控えめに振り返った。

 エースの自覚が今季もあふれていた。7月16日の西武戦(札幌ドーム)で打球が右足中指を直撃。アクシデント後も投球を続けていたが、降板後に病院で精密検査を受けると骨折と診断された。当初は試合復帰まで約8週間の見通しと発表されていたものの、復帰プランとして2つの選択肢が与えられていた。

 上沢直之は即断していた。「手術したほうが復帰が早いと思うけど、一般的に考えたら保存療法と言われて。でも、少しでも早く、1日でも早く復帰できたほうがいいと僕は思った」と、手術を決断。骨折から3日後に骨吸収素材による骨接合術を受けた。保存療法よりも約1カ月も早く実戦復帰できる可能性がある治療法を、迷いなく選んでいた。

 マウンドに帰ってきたのは8月14日の二軍戦。そして一軍復帰戦となった同20日ソフトバンク戦(PayPayドーム)こそ5回途中降板も、それ以降は7回以上を投げて3失点以内と安定した内容を続けた。骨折からの復帰前に「いいパフォーマンスをして、いい感じでシーズンを終わらせたい」と話していたとおり、来季へ向けても弾みがつくエースの姿がマウンドにあった。

写真=BBM
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