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西武・金子侑司 恐怖心をはねのけて最終盤に躍動した背番号7/復活を遂げた男たち

 

ポストシーズンで金子は暴れ回ることができるか


 9月11日の日本ハム戦。8月2日以来、約5週間ぶりにホームグラウンドに立った金子侑司は、ただただ緊張していた。それは、久しぶりの一軍戦だという単純な理由ももちろんある。が、それ以上の大半を占めていたのは「不安」だった。

 5月21日の札幌ドームでの日本ハム戦初回、二番・金子は二塁打で出塁した先頭・山野辺翔を三塁への犠打で送り、自らもセーフになるが一塁を駆け抜けたところで右太もも裏の肉離れを発症。完治まで約2カ月半を要し、8月2日に一軍復帰を遂げたが、その日の試合で故障を再発させ、わずか1日で戦線離脱となった。そのトラウマがどうしても脳裏によぎる。「前回は復帰して初日でやってしまった。今回もすごく怖くて、『またやるかもしれない』『そうなったらどうしよう』と、不安でいっぱいでした」。

 だが、その恐怖心を自ら見事にはねのけた。3回、近藤健介の詰まった左翼へのフライを全力疾走で前進し見事にキャッチ。この好守でリズムをつかむと、その裏の打席で三塁打、さらに5回にめぐってきた第3打席でも安打を放ち、與座海人の10勝目を演出した。

 チームは7連敗を喫し、優勝争いから一転、4位に転落しクライマックスシリーズ進出争いが目標となったが金子は9月の月間出塁率が.318、月間長打率が.405。チームのCS進出に貢献した。「みんなが頑張ってくれたおかげでこの位置にいる。そこにいられなかった分、なんとか最後だけでもみんなの力になれたらと思います」。ラスト2試合はベンチを外れたが、ポストシーズンで再び出番は巡ってくるか。

写真=BBM
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