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DeNA・山崎康晃 「誇りを持って投げていく」持ち場に帰ってきた守護神/復活を遂げた男たち

 

守護神の座に返り咲き、3年ぶりに30セーブを挙げた山崎


 史上8人目の大台到達が完全復活の証しだった。8月24日、山崎康晃は史上最年少の29歳10カ月で通算200セーブを達成した。不振を乗り越えて守護神に返り咲き、3年ぶりの30セーブで得た勲章。「そんなに体も大きくなく、すごい球を投げるわけでもない自分をこうして9回のマウンドに立たせていただいて感謝したい」と感慨に浸った。

 ルーキーだった2015年に抑えを任され、37セーブを挙げて新人王を獲得。18、19年には2年連続でセーブ王のタイトルを獲得した。順風満帆のプロ野球人生は20年に暗転した。直球のキレを失い、代名詞のツーシームもとらえられた。安定感を欠く投球が続き、ついには抑えの座を失った。昨季も役割は8回。それでも慣れ親しんだ9回への思いが消えることはなかった。

 昨オフ、三浦大輔監督から「変わるいい機会じゃないか」と減量を指令された。山崎自身も「何かを変えないといけない」と考えていたところだった。好物であるお菓子を断ち、絞れた体で今年の春季キャンプに臨んだ。体のキレを取り戻し、直球の威力も戻った。そして開幕直前。指揮官から「今年はクローザーでいく」との言葉を勝ち取った。

 苦しんだ過去2年も決して無駄な経験ではない。「投げ出したくなるときもあったけど、あの経験がなければ、今がどれだけ幸せなのか感じることができなかった」と言う。また一皮むけた守護神に成長し「これからもこのポジションを明け渡すつもりはないし、誇りを持って投げていく」と強い覚悟で試合を締めている。

写真=BBM
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