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ヤクルト・清水昇 鉄腕は勝利のために腕を振る/復活を遂げた男たち

 

離脱はありながらもセットアッパーとして勝利に貢献した清水昇


 決して満足のいくシーズンではない。4年目右腕・清水昇は今季、2度の離脱を経験した。史上初となる3年連続最優秀中継ぎのタイトル獲得を目指した2022年は、決して簡単な道のりではなかった。

 4月17日のDeNA戦(横浜)。右足付近に打球が直撃し緊急降板。同19日に出場選手登録を外れた。「モヤモヤする感じはありましたし、他の投手にも迷惑をかけてしまった」。守護神のマクガフへつなぐ重要な役割を担っていただけに自身でも存在の大きさを再確認した。

「ほかの人が投げて抑える姿は悔しいですけど、他の人が投げて負けるのはもっと悔しい。ケガや体調不良というのはふがいなさを感じた」

 懸命にファームで再調整を続けた。約1カ月後に一軍の舞台へ戻ったが、再び歯車が狂った。7月上旬に新型コロナウイルスに感染。2度目の離脱を余儀なくされた。「チームがしんどい時に投げて勝ちたいなというのはすごいありましたし、僕がカバーできればいいなというのは思っていた」。なんとかチームに貢献したい。その一心だった。

 8月31日の巨人戦(京セラドーム)で史上最速で通算100ホールドに到達。苦しみながらもたどり着いた節目の数字だった。「自覚もありますし、抑えて当たり前の雰囲気はうれしいものでもあり、ものすごいプレッシャーを感じる」。10月1日時点で48試合に登板し26ホールドで防御率1.21。レギュラーシーズンの借りはポストシーズンで返す。球団初の2年連続日本一へ、休まず腕を振る。

写真=BBM
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