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阪神・島本浩也 3年ぶりの一軍登板。再び輝く黙々と投げる苦労人/復活を遂げた男たち

 

今季は一軍で14試合に登板して防御率2.77だった島本


 復活記念日は8月4日の巨人戦(東京ドーム)。虎ファンから拍手を送られたのは、3年ぶりに一軍の舞台に立ったサウスポーの島本浩也だった。

「マウンドに上がったときは、あまり3年もかかったという感じはなかったのですが、振り返ってみると長かったなと思いました」

 再出発となった一戦は、中山礼都を低めに沈んだフォークで空振り三振、山崎伊織を右飛、吉川尚輝をスライダーで遊ゴロに仕留めた。

 一軍登板は2019年10月11日対巨人のCSファイナルステージ第3戦以来。左ヒジの手術からの復帰で、まさにはい上がった男が「結果で恩返ししたい」とあらためて決意を固めた日でもあった。「術後1年半ぐらいは投げることができなかった」と語る苦闘の日々だった。

 育成選手として阪神入りした左腕は、矢野燿大監督1年目の19年に63試合に登板し、4勝0敗11ホールドの成績を挙げたように貴重な戦力としてフル回転した。

 その年に左ヒジのクリーニング手術、翌20年11月には左ヒジ内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けてから、長いリハビリ生活を不屈の精神で乗り越えてきた。

 今年5月29日のウエスタン・中日戦(甲子園)で2年ぶりに公式戦登板。新たな背番号「46」を着けてカムバックを果たしたのだった。

 球団の初登板からの無敗記録も更新。「もっと信頼を得られるように頑張ります」。黙々と投げる苦労人が再び輝いている。

写真=BBM
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