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広島・アンダーソン デビュー戦の輝きは短く/助っ人選手通信簿

 

大活躍を予感させるデビューを果たしたアンダーソンだったが……


 尻すぼみな結果に終わってしまった。今季も新型コロナ禍の影響により、新加入したドリュー・アンダーソンの入国も3月中旬に遅れた。右腕の初登板は、5月5日の本拠地・マツダ広島での巨人戦。それが衝撃的なデビューだった。5回まで完全投球。6回先頭で中前打を許したが、降板した7回まで出塁はその1人だけ。当然勝ち投手になり、ヒーローに選ばれると、お立ち台で発した「カープのファンが一番じゃけぇ」は、球場内外の鯉党の心に突き刺さった。

 しかし、その後は勝ち星が伸びず。5月22日に2勝目を挙げてから5戦勝ち星なし。先発しても球数80球前後から球威や球速が落ちる展開が多かった。8月6日阪神戦(マツダ広島)では、先発するも3イニングで降板。佐々岡真司監督は「何らかのアクシデントがあった」とし、その日のうちに二軍降格を決めている。のちに上半身のコンディション不良が発覚。さらに、8月14日には新型コロナウイルス感染も確認された。負傷と新型コロナと、シーズン終盤は思うような成績を残せなかった。

 ただ、首脳陣は助っ人右腕の力量を評価し、ポストシーズンに進出した際には大切な1コマになると期待している。9月28日には二軍戦で実戦復帰をし、クライマックスシリーズに向けて調整していた。高橋建投手コーチも「先発候補の1人」と話すように、舞台が整い復帰できれば、計算できる先発要員として考えられていたのだが……。結局、シーズンは終わり、来日1年目は3勝4敗。デビュー戦のインパクトが大きかっただけに、結果に対する残念な気持ちもまた大きい。

写真=BBM
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