圧倒的な数字が並んでいる。登板数、勝ち星、セーブ数で自己最多を更新。56試合で4勝3敗、39セーブ5ホールド、防御率0.97。R.マルティネスが充実の来日6年目のシーズンを終えた。
球団最速の161キロの直球に加え、140キロで鋭く落ちる球で試合を締めてきた。「最初の監督で、日本に連れてきてくれた森(繁和)さんから『日本で成功するためには、まっすぐ以外も磨かないといけない』と言われ、フォークを勧められて特に練習してきたよ」と笑う。
鬼に金棒という言葉がぴったりの「鉄板コンビネーション」で奪三振率は10を超える。さらに今季は三振を狙うだけでなく、早いカウントでストライクを取って投球の幅を広げた。
「ようやくだけど、しっかりコントロールできるようになったのが大きい」。特に優勝した
ヤクルト戦は13試合で無失点、防御率0.00と完璧な投球を見せた。
9月24日の
巨人戦(バンテリン)では、1点リードの9回にマウンドに上がると、先頭の
中田翔を157キロ直球で空振り三振に仕留め気合の表情を浮かべた。8月10日の同カードでは同点の9回二死走者なしで対戦し、左翼席へ痛恨の特大決勝ソロを浴びていた。
それだけに「絶対に抑えるつもりでマウンドに上がったよ」という一戦でリベンジに成功。無失点で試合を締めくくった。ヤクルト・
マクガフを抜いて単独のセーブ王。来日6年目の大きな勲章となった。
写真=BBM