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DeNA・入江大生 歴史的な一発を浴びても下を向かないリリーフ右腕/飛躍のシーズン

 

2年目の今季、リリーフで能力が開花した入江


 入江大生は潔かった。「全力で勝負しにいった結果、とらえられてしまいました」。今季最終戦だった10月3日のヤクルト戦(神宮)。5点を追う7回に五番手で登板した。先頭打者は村上宗隆。内角高めへ151キロの直球を投げ込んだ。真っ向勝負。相手の四番はフルスイングし、右翼席上段へ運び去った。日本選手最多となる56号ソロ。歴史的な一発を浴びても、決して下を向くことはなかった。後続を3人で料理。開幕から1度も登録抹消されることなく、シーズンを走り抜いた。

 明大から一昨年のドラフト1位で入団。OBで日米通算381セーブのレジェンド・佐々木主浩と同じ背番号「22」が託された。先発の一角として見込まれ、昨年は堂々の開幕ローテーション入り。しかし4試合で4敗、防御率7.85にとどまり、8月には右ヒジのクリーニング手術を受けた。転機となったのが今年3月。三浦大輔監督が「球の質などもろもろを考えて力を発揮できる」とリリーフへの配置転換を決めた。

 開幕は5試合で7失点と苦しんだが、5月5日の中日戦(横浜)でプロ初勝利。常時150キロ超の直球とフォークを軸に7、8月は17試合でたった1失点だった。伊勢大夢(71試合)とエドウィン・エスコバー(70試合)に次ぐ57試合に登板。常に不可欠な存在であり続けた。阪神とのCSファーストステージ(横浜)でも2試合に登板し、10月10日の第3戦では原口文仁に決勝打を献上。最後の最後で味わった悔しさも、成長の糧になるはずだ。将来の守護神候補としても期待される24歳。まだまだ伸びる。

写真=BBM
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