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日本ハム・鈴木健矢 アンダー転向で新境地を開拓「ボスが可能性を広げてくれた」/ドラフト下位入団選手の今

 

新庄監督の勧めで下手投げに挑戦し、先発投手としても存在感を発揮した


 2019年ドラフト4位入団のサイド右腕だった鈴木健矢にとって22年は、大きな転機となったシーズンになった。BIGBOSSプロデュースによって、春季キャンプ中に投球フォームをアンダースローへ転向。これが、ハマった。「最初は戸惑いしかなかったけど、ボスが可能性を広げてくれた」。新庄剛志監督が与えてくれた新境地を愚直に突き進んだ。

 シーズン序盤はリリーフとして右の強打者、特に外国人打者と対戦して駆け引きを学んだ。フォーム変更によって直球は約10キロ減の130キロ前後に落ちたが、間合いやクイックモーションを1球ごとに変化させ、打者のタイミングをずらして打ち取る術を肌感覚で勉強。6月26日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では好リリーフでプロ初勝利も飾った。

 マウンド上での創意工夫の大切さは「全部ビッグボスの助言です」。指揮官が現役時代に苦手としていたのが、ロッテに在籍していたサブマリンの渡辺俊介氏。新庄監督は自身の経験も踏まえながら、打ちづらい投手の特徴をアドバイスとして転換して伝授。鈴木も渡辺氏の動画を見て研究するなど、アンダースローの投球術を日々、勉強した。

 シーズン後半は先発投手として存在感を発揮。来季以降は大きな戦力として計算できそうなメドも立ちつつある。フォーム変更の提案を「ボスの意図をくみ取って自分の中で頑張ってくれということ」と理解できたからこそ、飛躍の土台を築けた。「本当に変えて良かった」と19年ドラ4はサブマリンに生まれ変わってプロ野球人生をリスタートさせた。

写真=BBM
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