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楽天・西口直人 支配下最終指名からブルペンの主役へ/ドラフト下位指名選手の今

 

プロ入り後に力をつけてのし上がった


 ドラフト会議を終えた時点で、今季の活躍を予想できた人はどれほどいただろうか。西口直人だ。2016年秋のドラフト会議。12球団の支配下では最終指名となる10位で入団したのが、甲賀健康医療専門学校を卒業した西口だった。

 プロ6年目の今季は自己最多となる61試合に登板し4勝0敗、防御率2.26。34ホールドポイントはリーグ3位タイ。リリーフ陣の柱として、チームを支えた。昨季は主に中継ぎで33試合に登板し5勝2敗3ホールド、防御率3.28。ビハインドの場面での登板が多かった昨季と比べても、大きな飛躍を果たした。

 ただ、プロ入り後の道のりは決して順調ではなかった。課題の制球が向上せず、甘くなった変化球を痛打された。19年ごろには新球シュートの習得にも取り組んだが、決め球としては通用しなかった。

 昨季から飛躍を遂げた要因の一つが肉体改造に加え、直球に磨きをかけたこと。18年ごろは140キロ後半だったが、9月17日の西武戦(ベルーナ)では151キロを計時。自慢のストレートを軸に、今季は59三振を奪った。夏以降は今までより「ため」を作ったフォームに変更。さらに直球のキレが増した。勝負球であるフォークに加え、カットボールやスライダーの制球力も上がった。

 手痛い失点をした場面もあったが「同じ轍は踏まないようにしようと思いながらやってきた」と、苦い経験も糧とし、今やブルペンに欠かせない存在になった。来季は開幕からセットアッパーとしてさらなる飛躍が期待できそうだ。

写真=BBM
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