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阪神・原口文仁 「捕手」から「内野手」登録に。不屈の精神で巻き返しを図った男/ドラフト下位入団選手の今

 

今季はシーズン終盤に好調を維持した原口


 今シーズンの原口文仁がスポットライトを浴びたのは終盤になってからのことだ。春先はほとんど代打で不振を極めた上に、新型コロナウイルス感染でファーム生活を強いられた。

 2010年ドラフト6位入団。プロ13年目は「捕手」から「内野手」登録に変更された。昨秋から内外野に取り組んで居場所を探した。心機一転の新しいシーズンは春先から出遅れた。

 それでもこの男の勝負強さは折り紙付きだ。8月上旬に一軍復帰を果たす。今季初安打は同13日の中日戦(バンテリン)という遅さだったが、不屈の精神で巻き返しを図っていった。

 チームの得点力不足を補うために、9月11日の中日戦(甲子園)から五番・一塁に固定される。六番・佐藤輝明の前に起用された五番打者の原口は打ちまくり、チームをけん引。9月の月間打率は.405と好調を維持し続けた。

「後悔しないよう、チャンスに打点を挙げられるようなバッティングをしたいです」

 9月28日のヤクルト戦(神宮)の勝ち越し打は「チーム一丸になって戦う」という強い気持ちでチームの単独3位に貢献。食らいついていく粘り強い打撃をみせつける。

 CSファーストステージでも活躍したが、ファイナルステージで空振り三振を喫して悔しい最終打者になったのも原口だった。はい上がってきた男が来シーズンへ巻き返しを決意した一戦でもあった。

写真=BBM
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