ソフトバンクとのシーズン最終戦後セレモニー、10月22日に
井口資仁監督から今季限りでの電撃退任が発表された瞬間、中村奨吾は驚きの表情を浮かべた。
「本当に(井口監督が)辞めるってこともセレモニーまで知らなかったので、びっくりしている。本当に感謝しかない」
ベンチ裏に下がり、チームリーダーは少し冷静になって頭の中を整理した、井口監督からキャプテンを指名され、向けた2年目。「悔しいシーズンだったし、うまくいかないこともあった。自分がもう少し状態を上げていれば、チームの順位もまた少し違ったのかなという時期もあった。現役のときからお世話になっているし、井口監督になってレギュラーにしてもらった。優勝して胴上げをしたかった」と悔やんだ。
全試合出場は4年連続でストップ。138試合に出場し、打率.257、12本塁打、68打点、15盗塁。数字を並べてみれば、打点は自己最多をマークし、出塁率.354と悪くない。7月20日の
西武戦(ZOZOマリン)では1点ビハインドの5回に左翼へ逆転二塁打を放った。
最大で借金9も、この勝利でチームは貯金1。中村奨は実に3試合連続決勝打となり、3日連続でお立ち台に上がった。
ただ、すべてが終わってシーズンを振り返ってみれば、攻守の要が開幕直後に不在となったことは痛かった。中村奨自身も、開幕直後のコロナ離脱からはすぐに復帰したものの、コンディションを戻すのに手間取ってしまった。
今季は国内FA権を取得も残留を表明。
吉井理人監督の新体制となっても、替えの利かない選手であることは間違いない。
写真=BBM