週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

オリックス・太田椋 人生の経験の一つとして「考え込んだって結果は変わらない」/来季こそ主力に

 


 将来を期待される好打者が、日本シリーズで奮起して見せた。

 勝てば日本一が決まる第7戦で、太田椋が開始即10秒で試合を動かした。持ち前の積極打法をここぞの場面で披露。日本シリーズ史上初となる初回先頭打者初球本塁打を決めた。

「良い流れを持って来られるように、どんどん思い切って振っていこうと打席に入りました。タイミングもしっかりと合っていましたし、いい感触で打てたと思います!」

 ヤクルトの先発右腕・サイスニードの低めの145キロを拾い、バックスクリーン左の『ヤクルト』の文字にぶち当てた。

 若さあふれる姿勢が実を結んだ。日本シリーズでの初回先頭打者本塁打は13人14度目。球団では1976、78年の福本豊以来2人目だ。「初球」を打っての先頭弾は史上初。歴代のリードオフマンたちも達成できなかった偉業を成し遂げた。

 2019年にドラフト1位で入団し、4年目の今季は32試合の出場にとどまり不完全燃焼だった。ただ、日本シリーズは4試合連続スタメンで全試合安打。ある種の「割り切り」が好結果につながる。

「考え込んだって結果は変わらない。ビビるよりも、ミスしてもいいやと思えるようになった。もう、何か仕方ないよな、みたいな。人生の経験の一つとして思えるぐらいに」

 猫をかぶらず、闘志をむき出しに──。初球から食らいつく、日本一へ導く弾丸アーチ。二塁にはベテラン・安達了一が君臨するが、リーグ3連覇を狙う来季こそ、ポジションを奪ってみせる。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング