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ヤクルト・木澤尚文 投球スタイルを確立した1年/わがチームの“○○王”

 


 大きく飛躍したシーズンとなった。木澤尚文の存在は、いまやチームには欠かせない。55試合の登板と1年間フル回転し、救援投手ながらチームトップタイの9勝をマーク。リーグ連覇を支えたリリーフ陣の中でも、存在感は光った。

 悔しさからのスタートだった。昨年はドラフト1位で即戦力として入団したが一軍登板なし。二軍でも結果を出せない日々が続き「周りと比べての悔しさも、自分の努力に対して結果が出ないことに対しての悔しさもありました。必要以上に周りと比べてしまう1年間でした」。なんとか一軍の戦力になりたいと試行錯誤する中で習得したある球種が、木澤を変えた。シュートだ。

 1年目を終えた昨オフに、「打者から見てあまり嫌な球がない。打者目線で考えたときに(ストライク)ゾーンの中で動く嫌な球であったらほかの球種が生きるのでは」と決意。周りの先輩たちに助言を求め、今春の沖縄・浦添キャンプで伊藤智仁投手コーチからも指導を受けて、自分の武器に仕上げた。

 5月8日の巨人戦(東京ドーム)ではプロ初勝利。「まずはど真ん中にシュートを投げてファウルを取る、カットボール、フォークボールでどんどん打者を追い込んでいくというスタイルが見えてきたのが、自信を持ってマウンドに上がれるようになった要因」と迷いなくマウンドに上がれるようになった。

 そこから好投を続け9勝を積み上げた。来季は球団初のリーグ3連覇を狙うシーズン。フル回転で1勝でも多く貢献する。

写真=BBM
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