浪速の轟砲が雪辱を誓う。Ｔ-岡田が、今オフも懸命にバットを振る。

　今季は36試合の出場にとどまり、打率は.149と沈んだ。汗を流すと「本当に悔しかったので。今年の悔しさを忘れずに来年以降につなげていくのが大事」と心境を吐露する。「日本一の景色を見せてくれたチームメートに感謝したい。自分も試合に出て貢献したい」と力を込めた。

　覚悟を持って臨む2023年は「3色バット」で背水の陣に挑む。今季は木目の見えるバットと赤バットの2種類を使用してきたが、来季は新たに黒色のバットを導入する。詳細は「企業秘密です」と明かさなかったが「色によって(振ったときの)バランスが違う。その日の感触によって使い分けようかな、と。(基準は)フィーリングですね」と話した。

　来季は主砲の吉田正尚がポスティングシステムを利用してメジャー・リーグへ移籍。左翼の位置が空く。外野と一塁を守るT-岡田は「チーム状況で(外野も)するつもりです。試合に出してもらえるところで準備したい」と静かに闘志を燃やす。

　背番号55が奮起を誓う。履正社高で高校通算55本塁打を放ち、05年秋の高校生ドラフト1位でオリックスに入団。「良い背番号をつけさせてもらって、愛着もある。もっともっと活躍しないとなという責任感もあります」。入団から55番を背負い続ける『なにわのゴジラ』は、まだまだ若手選手にも負けられない。

　通算204本塁打を誇る、2010年の本塁打王。再び輝きを取り戻すため、必死にバットを振っていく。

写真=BBM