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ソフトバンク・藤井皓哉 苦しい時期をともに乗り越え、さらに/増した責任感

 

戦力外から独立リーグを経てはい上がった藤井


 契約更改交渉に臨んだ藤井皓哉が思わず目を丸くした。「ゼロの数を数えました。想像を超えましたね」。2021年12月に育成契約を結んだ際の推定年俸は550万円。そこから809パーセントアップとなる5000万円でサインした(金額は推定)。年俸の上昇率は球団史上最高となり、まさに『シンデレラストーリー』を体現。「1年前に僕がこうなるとは誰も思っていなかっただろうし、僕もそうだった」と素直な思いを口にした。

 20年限りで広島を戦力外となり、翌年は独立リーグの四国IL/高知でプレー。はい上がった男は強かった。ソフトバンク1年目は55試合に登板して5勝1敗22ホールド3セーブ、防御率1.12の成績をマーク。シーズン後半はセットアッパーを任されるなど抜群の安定感を誇った。メジャー・リーグのメッツと契約合意した千賀滉大の穴を埋めるべく、23年シーズンは先発に挑戦する方針だ。「目標は170イニングを投げること」と早くも意欲を示している。

 頑張らなければならない理由はもう一つある。22年6月に広島県出身の一般女性と結婚していたことを発表した。喜びの大きさを「福岡タワーくらいですね」と例え、普段はクールな男が満面の笑みを浮かべた。広島を戦力外となった20年から交際が始まったといい、「苦しい時期をともに過ごしてきたし、長く活躍し続けたい」と力強く宣言した。年明けには先発の極意を学ぶため、ベテラン・和田毅の自主トレに参加する。「来シーズン(23年)は年俸に見合った成績を出せるように頑張りたい」と活躍を誓う。

写真=代表撮影
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