
若手をけん引する立場に
自身のインスタグラムに10月、第2子誕生を報告したのが
松井裕樹だ。シーズン終了後、球団公式ツイッターで、個人としての2022年の漢字を「産」にしたと発表。球団を通じて「新しい命とともにあった1年だったので」とコメントした。
父としても、ストッパーとしても責任を果たした1年だった。22年は53試合に登板し、1勝3敗7ホールド32セーブ、防御率1.92。19年以来3年ぶり2度目となる最多セーブのタイトルを獲得した。
入念な準備が実を結んだ。春季キャンプで取り組んだのが、勝負球であるフォークの改良。精度も落差も増したフォークで83奪三振。21年シーズンは59奪三振で、奪三振率は12.35。22年の奪三振率は14.46で自己最高の数字となった。
2人の子どものパパとなり、責任感は増すばかりだ。これまで、オフは9年にわたって田中将と一緒に自主トレを行ってきた。ただ22年のオフからは独立する考えを示した。「今までは、本当に田中さんにおんぶに抱っこになっていた。慣れたところから環境やメンバーを変えるというのは、不安もあるんですけど、新しいところで力を出せるような選手になっていかないといけない」と言葉に力を込めた。
オフは、22年にドラフト4位で入団した泰と一緒に自主トレを行う。新人左腕に頼まれ、決断したという松井裕は「年下が増えてくる中で、少しでもチームに還元できたらいい」と責任感をにじませた。父として、守護神として、先輩として。来季はさらに成長した姿を見せる。
写真=BBM