膨らみ続けた期待に応える活躍は見せられなかった。入団3年目を終えた石川昂弥の野望は三たび、ケガに阻まれた。背番号は2から25へ変更が決まった。
最初にコケたのはルーキーイヤーの春季沖縄キャンプ。上半身のコンディション不良に襲われ、満足にバットを振れなかった。
2年目は死球を受けて、左尺骨を折った。接合術を受けた。さあ、と臨んだ今季、開幕からスタメンで出続けたが、夏場を前にした5月、左膝を痛めた。三ゴロを放ち、一塁手の捕球をよけた際に起きたアクシデントだった。
保存療法も試みたが、7月に左膝前十字靱帯再建術を受けた。そのままシーズンは終了した。そしてオフ、自ら背番号の変更を申し出た。
25のイメージは持っている。「
岡本和真さん(
巨人)、村田(
村田修一)さん(元巨人など)、筒香(
筒香嘉智)さん(米ブルージェイズからFA)の印象があります」。いずれ劣らぬアーチスト。身近に感じているのは岡本だと言う。
石川昂は来季4年目。岡本も同じく4年目に背番号を25に変えた。そのシーズンで、史上最年少で3割、30本、100打点をマーク。一気に飛躍した。
次世代アーチストとして素材を開花させたい「(飛躍する準備は)できています。あとはケガさえしなければ」。明るい表情で語る。
オフはチームスタッフの投げる山なりのボールを打ち込む日々。強度も上がってきた。試合に出続けられれば、成績は残せる。今はただひたすら、強い体がほしい。
写真=BBM