64歳の心の炎に、再び燃料が注がれた。球団最長を更新する通算17年目の指揮を執る原辰徳監督が強い思いを口にしたのは、2022年シーズン終了後にオーナー報告を終えたあとだった。
「どこかで老け込みつつある私自身を、今季(22年)の悔しさが奮い立たせてくれた。このままで終わってたまるかと。新しい情熱が、燃えたぎるような血液の中に出てきたのが今シーズンでした」
22年から3年契約を結び直したが、山口オーナーからあらためて23年の続投を要請され、並々ならぬ覚悟で受諾した。
主力の故障離脱が続いた影響もあり、22年シーズンは終盤に失速。37セーブを挙げたドラフト1位・
大勢をはじめ8投手がプロ初勝利を挙げるなど若手が台頭したが、チームは5年ぶりのBクラスとなるリーグ4位に沈んだ。
チーム打率.242、同防御率3.69はリーグワースト。指揮官は「数字は冷静に野球人として見ても、優勝できるチームではなかった。真摯に受け止めて、対策を講じていく」と課題に挙げた。
チームの再建はすでに始まっている。
大久保博元打撃チーフコーチなどコーチ陣をテコ入れ。FA補強は行わず、A.
ウォーカーを除く支配下の助っ人は総入れ替えを実行中だ。ベテランの
松田宣浩、
長野久義の獲得により選手層は厚みを増した。主将の座は
坂本勇人から
岡本和真へ9年ぶりに交代している。優勝が至上命題となる23年シーズンへ、原巨人の逆襲が始まる。
写真=BBM