戦力も整ってきており、優勝を狙える力は十分にあるDeNA
結果的に2度、悔しさを味わうことになった。しかし、2021年のそれとは違った。「今は悔しくて、しょうがないです」と声を絞り出したのが22年9月25日。
ヤクルトに敗れ、2年連続で
高津臣吾監督の胴上げを許した。同時にシーズン2位が確定し、3年ぶりのCSへ進出。「楽しんで全力で戦っていこう。誇りを持って戦っていこう」と訓示し、ファーストステージで3位・
阪神と激闘を演じた。
1勝1敗で迎えた第3戦は、最後まで1点を追いかけた。9回一死満塁で代打・
藤田一也が二ゴロ併殺。結果は伴わなかったが「選手たちは全力で戦ってくれた。昨年(21年)に比べれば、かなり(チームが)変わってきた。この1年、日々成長しながら戦えた」と収穫に目を向けた。就任初年度の最下位から飛躍した事実。「何かが足りなかった。この悔しさを忘れずに」と言葉に力を込めた。
25年ぶりのセ・リーグ優勝へ、まずコーチ陣の役割を変更した。指揮官を支えた
青山道雄ヘッドコーチが巡回コーチへ配置転換され、
相川亮二バッテリーコーチがチーフ作戦兼バッテリーコーチに。
石井琢朗野手総合コーチがチーフ打撃コーチとなり、リーグ4位の497得点にとどまった打撃部門の強化を図った。
捕手のレギュラー格だった
嶺井博希はFAで
ソフトバンクへ移籍したが、戦力整備も着々。メジャー志向のあった守護神・
山崎康晃が6年契約によって残留し、
中日からトレードで獲得した
京田陽太で固定できなかった遊撃の補強にも成功した。ホップ、ステップ、ジャンプの番長政権3年目。機は熟したと言える。
写真=BBM