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ロッテ・荻野貴司 なお健在の打撃技術とスピード「体の感覚がいい」/最年長の意地

 


 今年10月で38歳となるチーム最年長のベテランだが、衰えの気配はない。プロ13年目の昨季は右膝痛、右脇腹痛などで出遅れたが89試合に出場し打率.310、5本塁打、15盗塁。吉井理人監督の就任1年目をリーグ優勝で飾るには、荻野貴司の活躍は必要不可欠となる。

 正月は故郷・奈良の実家で過ごし、年明けは5日から自主トレーニングを開始。地元の神社で初詣も行い、「家族が健康でありますように」とだけ祈願した。

「チームとして優勝を目指してやるのと、個人的には昨年離脱が長かったので、一年間通して戦えるようにしたい。オフは、そこまで追い込まず、体と相談しながら徐々に状態を上げて、それを継続したい」

 一昨年には最多安打&盗塁王のタイトルを獲得。打撃技術とスピードは、今も建材だ。これまでの野球人生は、故障との闘いだったが、「いつも膝に不安があるけど、久しぶりに体の感覚がいい」とも打ち明ける。自らの健康が、一年の出来を左右するといっても過言ではない。

 穏やかな性格で、後輩たちから尊敬される。「あんまり最年長という雰囲気もないし、そんな権限もない」と自己分析する。それでも、背中で若手を引っ張っていくことは、首脳陣から求められている。

 2021年限りで現役引退した元同僚の鳥谷敬氏の姿が目に焼き付いている。「毎日、準備をすごくしていた。やっぱり、そういうことが大事。まずは自分のできることをしっかりやって、チームのために何かできたらいいなと思っています」。今季も頼りになりそうだ。

写真=BBM
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