
松山はまだまだ代打の切り札に収まるつもりはない
今年で38歳という年齢を感じさせないほど、
松山竜平の気力はみなぎっている。出場機会は年々、減少の一途をたどる。昨季の166打席は直近10年間で最少で、打率は.217。それでも「体はまだまだ元気だし、まだやれる。『代打で』というのは、正直早い。スタートから出て、もっといっぱい打席に立ちたい」とレギュラーへの強いこだわりをにじませた。
今オフ、1歳上の
長野久義が古巣・
巨人に移籍したことで、自身がチーム最年長となった。「チョーさんが最年長になったときも『(松山が)最年長だよ』と。仲良く引っ張っていこうという思いはあった。チョーさんもここから頑張ってほしいという思いは強い」と、戦友の存在を刺激に「打率3割、チーム最多打点」を目標に掲げ、再起を期す。
昨季は
マクブルームの合流が遅れたこともあって、自身初の開幕四番を務め、2カード目初戦までの4試合で四番に座った。4試合で5安打と状態は良かったが、チーム事情で代打待機へと回り、「アピールが足りなかった。やっぱり悔しいしかないですよね」と振り返った。
今季から指揮を執る
新井貴浩監督は、自身の今と同じ37歳だった2014年オフに
広島に復帰し、16年に39歳にしてMVPを獲得する活躍でチームを25年ぶりのリーグ優勝に導いた。松山もチームメートとしてその姿を目の当たりにしていただけに、「そこは、やっぱり目指すところ。何とか新井さんの力になれるように、チームの力になれるように」。5年ぶり覇権奪回に、ベテランの力は欠かせない。
写真=BBM