移籍して7年。すっかりドラゴンズのブルペンに欠かせない男となっている。チーム最年長の谷元圭介は今季で38歳。同学年の
吉見一起も
浅尾拓也も、すでに現役生活に別れを告げている。
「(最年長となって)何か変わるわけではないので特別意識することは、ないです。まずは自分のことを一生懸命やって、その中で若い子たちにいろいろ感じてもらえれば」
どんな場面でも表情ひとつ崩さすマウンドで立ち振る舞う姿は、チームに安心感を与えている。
これまで517試合に登板してきた谷元にとって、超えたい数字が目の前にある。
日本ハムで抑えとして活躍した
武田久さん(現・日本製鉄東海REXコーチ)の534試合まで残り17試合に迫っている。
「そこはやっぱり意識しますね。僕がプロに入れたのも、武田さんが活躍していたから。かなわない部分ばかりですし、登板数は抜いて良い報告がしたいです」
身長167センチの谷元にとっては、身近なお手本だったのが170センチと同じく小柄だった武田さん。通算167セーブを挙げ、最優秀中継ぎ1回、最多セーブ3回を誇る「小さな
巨人」の背中を追ってきた。
「本当にいろんなことを教えてもらいました。一喜一憂しないこということですね。良かった日も打たれた日も切り替えが大事。次の日、何ともない顔でいなきゃいけない」
今ではその教えは宮古島自主トレをともにする
山本拓実ら若手に引き継がれていく。師匠の言葉を胸に、何食わぬ顔でプロ15年目のマウンドに向かう。
写真=BBM