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楽天・石井一久 「想定内」で乗り越える/指揮官たちの戦力構想

 

指揮官に専念する今季、結果が求められる


 昨季の反省を踏まえた言葉だった。キャンプインを翌日に控えた1月31日。石井一久監督は全体ミーティングで選手に「想定外のことを想定内にする準備期間としてキャンプはあるので、個人としてもチームとしても器を大きくしてシーズンに備えていこう」と訓示した。

 2022年は開幕から好調を維持し、一時は18個の貯金を作った。だが夏場に貯金を食いつぶすと、借金2の4位に終わった。失速した要因について指揮官は「先発投手陣の整備が6月以降は難しかった」と語った。

 あくまでも数字だけを見るなら、弱点は投手陣になる。チーム防御率はリーグ最下位の3.47、完封勝ちは11勝とリーグ最少だった。ただ、選手個々の能力が他チームより劣っていたわけではない。開幕から連投が続いた救援陣が、夏場に調子を落としたのも無理はない。ベテランを含め、余裕を持った間隔で登板していれば、失点数も変わっていただろう。

「想定外」だったのは若手の不振か。2年目左腕の早川が19試合登板で5勝9敗。宮森の活躍は素晴らしかったが、先輩から出番を奪うほど成長した若手投手は多くなかった。今年こそ分厚い投手陣を構築すべく、一軍キャンプには若手を中心に昨年より4人も多い48選手を帯同。ドラフト1位の荘司を含めルーキー5人も一軍キャンプでスタートした。

 石井監督は「激しい競争があるので、勝ち取ってもらえたら」と若手の台頭を要望した。どんな状況も「想定内」で乗り越えられるようなチームをつくり上げ、今年こそリーグ優勝をつかみ取る。

写真=BBM
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