成長を感じさせる一打だった。2月8日、金武キャンプ初となったシート打撃。安田悠馬が技ありの一打を放った。
高田孝一のフォークに体勢を崩されながらも、逆らわずに弾き返して左前打。
「ベストは長打ですが、タイミングが合わなかった。どんな投手やボールにも、タイミングを合わせられるようにしたい」と上を見据えた。
愛知大では大学通算32本塁打を放って、2021年ドラフト2位で入団。長打力のある捕手として、新人ながら開幕スタメンを勝ち取った。
新人捕手の開幕戦先発は史上初の快挙となったが、4月に新型コロナウイルスに感染。5月には左手人さし指を骨折し、長期離脱。昨季はたった5試合の出場で打率.200に終わった。
さらなる飛躍を狙う2年目の今年は、追い込まれたときに、どんな球にも対応できるようなミート力も身につけようと汗を流す。1月には尊敬する
ソフトバンク・
柳田悠岐の合同自主トレに参加。「100パーセントの完成度ではないけど、少しずつ(理想に)近づいてきた」と手応えをのぞかせた。
石井一久監督は「無駄な部分をそぎ落としてキャンプに来た」と高い評価。今季初の対外試合となった2月12日の
日本ハムとの練習試合(金武)では「四番・捕手」で抜てき。今年も期待されていることは確かだ。
指揮官は、自ら「東北のゴジラと呼んでください」と語る安田に対し「このままだったらモスラ。大きく羽ばたくかもしれない」と独特の表現で覚醒を期待した。怪獣のように大暴れしてくれれば、チームが活性化することは間違いない。
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