ポジティブな思考回路で昨年に続く活躍を見せたい
入江大生はすがすがしい表情を浮かべた。
「いろんな形で記録を残せて、今は良かったなと思います」
リリーフへの転向によって能力が開花し、昨年は
伊勢大夢(71試合)と
エドウィン・エスコバー(70試合)に次ぐ57試合に登板。明るく振り返ったのが10月3日の
ヤクルト戦(神宮)だった。
DeNAのシーズン最終戦。7回に五番手でマウンドに上がると、相手の四番・
村上宗隆に日本選手歴代最多となる56号をたたき込まれた。
「事あるごとに僕が打たれたシーンが流れて……。孫とかができたときに『これを打たれたのはおじいちゃんだぞ』って言えますね」
選択したのは151キロの直球。真っ向勝負の結果だった。「村上に打たれた男」として注目を浴び、すぐエネルギーに変換できるポジティブ思考。歴史的被弾から1カ月後の11月3日にはオーストラリアへ向かった。
「今年以上の活躍をしたい。自分に足りないものを徹底的につぶしにいく」
同僚の
宮國椋丞とともにウィンター・リーグへ参戦。新球種としてツーシームの習得にも取り組んだ。
新人だった一昨年は先発で4試合どまり。ドラフト1位の期待に応えられなかった。飛躍を経て、今季が実質2年目。「もっといい投手になれるように」と前を向き、沖縄・宜野湾キャンプではOBの
佐々木主浩氏と対面した。入江にとっては同じ背番号22のレジェンド的存在。大先輩が代名詞としたフォークの感覚や直球の制球など、意欲的に質問をぶつけた。
同期入団の
牧秀悟は先にジンクスを破り、チームを代表してWBCに出場。負けない輝きを放つ。
写真=BBM