開幕スタメン返り咲きに燃えている。木浪聖也がショートのレギュラー争いから抜け出そうとしている。

　ここからオープン戦で結果を残し、乗り切れば再び定位置が見えてくる。「守りをしっかりして打てればレギュラーに近づける」と気合を込める。

　春季キャンプでは小幡竜平らと競い合った。岡田彰布監督をして「木浪が1歩リードしているんじゃないか」と言わしめるほど充実ぶりを見せつけた。

　昨季は開幕スタメンから外れて、プロ入り以来、最少の41試合出場にとどまった。すっかりレギュラーの立ち位置を奪われた形だ。

　それが、岡田監督に代わって、まるで生き返ったようだった。岡田監督が提唱した「守りの野球」に沿って守備力の安定感にこだわった。

「第一に守備のことを考えています。ピッチャーが打ち取った打球をしっかりアウトにしたい。それが信用されることにつながっていくと思っています」

　単に打球処理だけでなく、投内連係に、外野からの中継プレーでも確実性を見せるなど「ショート・木浪」の存在感をアピールし続けた。

　昨季レギュラーだった同じ左打ちの中野拓夢が二塁へ転向となった。「爪痕を残したい」とチャンスを譲るわけにはいかなかった。

　打撃面でもキャンプの実戦で打率4割超の数字を残した。「手は最後に付いてくる。まず体を回すこと」と改良を加えた。木浪がプロ5年目の区切りになるシーズンにレギュラーの座を奪い返す。

写真＝BBM